正しい目標の立て方

正しい目標の立て方については、これまで様々な検討が行われてきました。

「目標は高めに設定した方が、最後まで必死に取り組むので結果が良くなる」という人もいれば、

「ハードルが高くなりすぎて挫折しないように、目標は実現可能なレベルのものが良い」という人もいます。

さて、どちらが正しいのでしょうか?

 

1.目標は高いほうが良いか、低いほうが良いか。

ズバリ正解は、「どちらだろうと関係ない」です。

なぜ関係ないのかというと、そもそも目標を達成できそうかできなさそうか、という自分の「感覚」そのものが、実は何の根拠もない、かなりいい加減な思い込みで決められていることがわかっているからです。

 

2.「できそう」という感覚はあてにならない。

心理学者エレン・ランガーは、以下の実験をしました。

被験者の半数に「ジャンピングジャックを50回するとしたら、何回目ぐらいで疲れると思うか?」と聞いた場合、ほとんどの人が「30回ぐらい」と回答しました。

しかし、残りの被験者に「ジャンピングジャックを70回するとしたら、何回目ぐらいで疲れると思うか?」と聞いた場合、ほとんどの人が「50回くらい」と答えたのです。

どちらの被験者にも体力的な差はありません。

それでも被験者達は、聞かれた質問によってだいたい3分の2ぐらいで疲れるだろうと予想し、相対的な見積もりを立ててしまったのです。

参考書籍:図解モチベーション大百科

 

この実験のポイントは、被験者の解答が「質問」によって相対的に判断されており、「実際に疲れるまでの回数」とは無関係である点です。

 

また、認知心理学者のダニエル・カーネマンは、「計画錯誤=人は何かに取り組むとき、かかる時間や労力を少なめに見積もるという選択をしてしまう傾向がある」ということを以下の実験で証明しています。

カーネマンは、学生たちに「学位論文はいつ頃書き終わるか?」という質問について、最短のケースと最長のケースを予測させました。

すると学生たちの解答は、最短で平均27日、最長で平均49日でした。

しかし、実際に論文を書き終えるまでにかかった日数の平均は、56日。

最初に予想した最短の日数で仕上げた学生はほんの一握り、最長の日数で仕上げた学生すら半分もいなかったのでした。

参考書籍:後悔しない超選択術

このように、人間の「できそう」という感覚は、全然、まったく、毛ほどもあてにならないのです。

そんなものに対して、「できそう」と思える量を増やすために目標を高めに設定することや、「できそう」と思えるかどうかを判断基準にして目標を低めに設定することに、あなたは意味があると思いますか?

これらの考え方は、自分に羽があるかどうかを確認せずに、「飛べると思えば飛べるんだ!」と言っているレベルと等しいことがおわかりいただけたと思います。

じゃあ、どうしたら良いのか?

それは・・・感覚に頼らない。それが正しい目標の設定方法です。

 

3.正しい目標の設定方法

自分のいい加減な感覚に頼らないで目標を設定するためには、正しい手順で目標を設定し、試行錯誤を繰り返しながら目標の精度を上げていくことが大切です。

 

STEP1.本当の目標を明確にしましょう。

まずは自分にできそうかできなさそうかということよりも、本当に成し遂げたい根本的は何なのかを考えましょう。

かの有名な投資家ウォーレン・バフェットが言った通り、「やる必要のない仕事は上手にやったところで意味がない」です。

目標を設定するにあたっては、それが本当に必要な仕事かどうか、つまり本当に成し遂げたい目標かどうかを一番最初によく考える必要があります。

目標の例:好きなことだけをして生きていく、など。

 

STEP2.それを成し遂げるための施策を複数考えましょう。

ここでのポイントは、「複数」考えるということです。

ひとつの施策がダメでも、他の施策がある。できる限りそういう状況を作っておくことで、目標達成までに挫折する確率を大きく減らすことができます。

施策の例:

①好きなことを探して、それだけで生きていける方法を考える

②今の仕事を好きになって、独立する方法を考える・・・、など。

 

STEP3.それぞれの施策について、具体的な手段を考えましょう。

ここでは、「さぁ始めてください」といわれてすぐ動けるレベルまで計画を詳細な手段に落とし込むことが必要です。

手段の例:STEP.2の①についてはまず、

a.これまでにやったことの中から好きなことを30個書き出す

b.これまでにやったことがないことに週1回以上挑戦する、など

 

STEP4.手段の実施にかかる時間を詳細に予想しましょう。

STEP3で考えたそれぞれの手段を実施するのに、どれくらいの時間がかかりそうかを予測しましょう。

それによって、毎日の生活のどこでそれをやったら良いのか、もっと効率化できる方法はないかなど、計画を実施していくうえで必要なスケジューリング能力が身につきます。

 

STEP5.実際にやってみて、その結果を反映して目標や計画をこまめに修正しましょう。

これが一番大切です。

どんな目標も、達成したことがないのに最初から完璧に達成でき、しかも人生を充実させられるような目標を立てることは不可能です。

少しずつ試行錯誤を繰り返し、修正しながら最適化することで、人生を豊かにするために必要な目標を達成することができるようになります。

※STEP.2以降をうまくやる方法については、以下の書籍も参考になるかと思いますので、よろしければ読んでみてください。

いい加減な感情に左右されるのではなく、データに基づいた正しい目標設定を行うことで、人生をより素晴らしいものへと変化させることができると思います。

それでは今日はここまで、お疲れ様でした。

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